ベルリン クリスタルワールド

サイコジオフィジックスが1月末から6日間、公開イベントを実行することになり、招待されたのでいまベルリンまでの飛行機代を調べている。円高だから7千円ぐらい。

イベント名はバラードの小説からとって「結晶世界」。

  • 川岸の植物の完全なる沈黙と、深いプリズマの輝きは、地球全体が結晶化したこと、そして結晶世界におけるいかなる進化も無意味であることを彼に確信させた。(バラード、結晶世界)
  • 「この世界は閉ざされている。循環し、共鳴し、永遠にぐるぐる回っている」と告げる蛇は、そのサイクルを破壊するためだけにシステムの中へ遣わされる。(トマス・ピンチョン、重力の虹)

「もし、無限の時を少数の原子に変換した非循環の結晶から生命そのものが出発するのなら、キャピタル(資本?)による地球生物学のデジタル結晶化は無限の時を有限にするだろう。結晶質から作られたコンピューターと鉱物もまた結晶質と見なせば、それらを非結晶化する論理はただひとつである。
結晶世界の公開ラボは、デジタル化された物を非結晶化するための化学的手法の数々を使って、電子機器や毒性合成物の廃物を金、銀、パラジウムなどの純粋な鉱物に変えて地球に返すために実行される。ゴミの中から貴金属を取り出すために用いられるしばしば危険を伴ういくつかの手法を用いて、実験で結晶たちを産出し、予測不可能な精神物理的歪みと偶然性を現結晶周期の中へ刻み付けることを目指す。

6日間の公開ラボ活動には、希少な鉱物の沈殿、高熱合成地質学および誘導結晶学、人間的化石化、水の結晶の暗号学、キルリアン写真、高電圧閃電岩の作成実験、オードの回折、新しいペスト(黒死病)発生に向けたコロイドの経口摂取が含まれる。」

と、いつもながら難解なマーティンの文章だが、要するに、廃棄物の中から貴金属を取り出す21世紀的な錬金術の実験をやるらしい。ペストを発生させようと目論んでいるのはライアンという子で、前回あった時もペストの話と下ネタばっかりだった。個人的には水の結晶の暗号学がとても気になる。百聞は一見に如かずなので、思い切ってこれからベルリン行きチケットを買ってきます!