スタニスワフ・レム
スタニスワフ・レムはアンドレイ・タルコフスキーの映画「ソラリス」の原作者で、私はアメリカのフィリップ・K・ディック、イギリスのJ・G バラードとスタニスワフ・レムの三人がSFの王様だと思っている。
日本にいる時はブックオフなんてほとんど行かないのに、パリのブックオフは内容がとても充実していて、ときどき、信じられないほどいい本が2ユーロコーナーに置いてあったりするのでしょっちゅう見に行く。例えば、スタニスワフ・レムの「宇宙飛行士ピルクス物語」も、9月に2ユーロコーナーで見つけた本で、もったいないので少しずつ読んでいる。
モスクワにあるソビエト軍事アカデミーでは、ソ連時代のロケットや宇宙テクノロジーが一般公開されている。写真を見ると。まるでスタニスワフ・レムの小説そのままの世界だ。
ガガーリンも使った(?)宇宙飛行士の操縦席
緑の玉はロケットを回転するためのミニエンジン、紫色の窓は搭載カメラ
ロケット制御パネル
エイリアンなどの外敵に遭遇した場合のレーザー銃
モスクワに行った時、こんな場所があるとは知らずに行かなかったのが残念。
モスクワでは、「モス・フィルム」の映画博物館で、ほとんど客がいなかったせいか、職員たちがタルコフスキー絡みのものをいろいろ見せてくれて楽しかった。そのうちの一人のおばさんは、タルコフスキー映画の音響担当の方だったそう。撮影時のエピソードもいろいろ聞けて良かった。例えば、タルコフスキーは、ある日スタッフにたくさんのキャベツを持ってこさせ、みんなでキャベツを足で踏むように言い、その音を映画の中に挿入したのだとか。
「宇宙飛行士ピルクス物語」は、機械的なものと有機的なもの、生と死のコントラストがあって、そのはざまで展開するストーリーの緊張感がたまらなくいいと私は思っている。
宇宙飛行士ピルクス物語 (1980年) (海外SFノヴェルズ)
- 作者: スタニスワフ・レム,深見弾
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1980/12
- メディア: 新書
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